2009年11月22日日曜日

素敵な物語2

ある小学校に生まれつき、知能に問題のある男の子がいました。
担任の先生は算数や国語の時間、この男の子が答えを出せないことを分かっているのに、男の子に答えを出すように厳しく求めました。男の子は必死に答えを出そうとするのですが、解けなくて、いつも他の子ども達に笑われていました。
しばらくして、この担任の先生が転任することになって、お別れ会が行われることになりました。先生にお別れの挨拶をする人を決めることになったのですが、
「先生に一番、迷惑をかけたのだからお前がやれよ」
とクラスのみんなに言われて、無理やりにこの男の子が挨拶をさせられることになりました。
お別れ会の当日、男の子が先生の前に立ったとき、クラスのみんなは笑いをこらえながら見つめていました。男の子は先生の顔をじっと見つめると、
「ぼくを普通の子どもと一緒に勉強させてくれてありがとうございました。放課後、つきっきりで計算を教えてくれてありがとうございました。本を毎日、読んで聞かせてくれてありがとうございました。ピアノを教えてくれて…」
と感謝の言葉を述べました。男の子の挨拶は10分以上も続きましたが、その間、おしゃべりをする子どもは誰もいませんでした。クラス全員が真剣に男の子の話を聞いています。担任の先生は涙をこらえながら、この男の子の話を聞いていました。そして、先生は最後に、
「全てを持っている人は誰もいません。あなたは国語や算数は人よりできないかもしれないけれども、その欠点を補うために必死の努力をしました。なかなかできることではありません。私はあなたに勉強を教えられてとてもうれしかったです」
と話しました。
相手のことを本当に思うならば厳しさも必要ですね。いつかは必ず、感謝されると思います。