2016年2月4日木曜日

栗野です。

特攻隊員だった方が書かれた本です。

すごく良い本だと思いますが、もう販売されてなく中古でしか手に入らないのが残念な本です。

本から、

最後の便り
「謹啓、初春の候と相成り、その後、御両親様には、お変りなくお暮しのことと思います。
お父さん、お母さん、喜んで下さい。
祖国日本興亡のとき、茂も待望の大命を拝しました。
心身ともに健康で、任務につく日を楽しみに、日本男児と、大橋家に、父と母の子供と生まれた喜びを胸に抱いて、後に続く生き残った青年が、戦争のない平和で、豊かな、世界から尊敬される、立派な、文明国家を再建してくれる事を信じて、茂は、たくましく死んで行きます。
男に生まれた以上は、立派な死に場所を得て大空の御楯となり、好きな飛行機を、我が墓標と散る覚悟であります。
親より先に死んで、親孝行出来ない事をお許し下さい。
お父さん、お母さん、長生きして下さい。
お世話になった皆様方に、宜敷お伝え下さい。
この便りが最後になります。

昭和二十年三月二十四日
大命を拝して十八歳 茂」