2009年12月5日土曜日

感動した話(TT)

知り合いの小学生の女の子は緊張するとなぜか頭痛がして動けなくなります。
そのため、毎年、運動会は苦痛で最後まで走れたことはありませんでした。
ところが今年の運動会はクラスでリレーを行うことになったそうです。
「走れなくなって他の子ども達に迷惑をかけたらどうしよう…」
と両親はとても不安になりました。お母さんは心配で見ていられないと先に帰ってしまいました。
いよいよ、クラス対抗リレーがスタートしました。三人目の走者としてその子はバトンを受け取って走り出しました。お父さんは
「良かった。このまま無事に走ってくれれば…」
と安心しました。しかし、ゴール手間でその子は頭を抱えて座り込んでしまいました。
その間に他のクラスでは次々とバトンが渡されていきます。観客席からは
「次の子どもが取りに行け…」
と叫ぶ人も現れました。担任の先生は必死にその子を応援しています。
なんとかその子はふらふらと次の走者にバトンを渡すことができましたがそのときには既に他のクラスのアンカーが全員ゴールしていました。この状況に会場は静まり返ってしまいました。
ところが、その子からバトンを受け取った男の子が必死に走り出しました。すると、静まり返っていた会場からこの日一番の声援と拍手が湧き起こりました。
大きな声援と拍手の中、子ども達が次々とバトンを渡して全力で走っていきました。
後日、お父さんからそのクラスの先生宛に手紙が届きました。それには
「子ども達は他の子と競って走りたかったと思います。本当に迷惑をかけて申し訳ありませんでした。でも、子ども達が一生懸命に走ってくれて救われました。子ども達にありがとうと伝えてください」
と書かれていました。
先生は教室で生徒にこの手紙を読んで聞かせた後、その動けなくなった女の子に「あなたが頑張ったからみんなも頑張ったんだよ」
と言いながら拍手しました。教室は再び、大きな拍手に包まれました。